1995年、被爆50年の節目に広島の有識者によって設立された「ヒロシマと音楽」委員会は、2025年12月末をもって閉会することになりました。
発足からちょうど30年、その間、委員会結成の最大の目的であった作品収集とデータベースの構築作業を行うとともに、実演を通した普及活動を行なって参りました。さらに、2009年以降は、広島という一都市の歴史の中からその音楽文化を捉えるべく、戦前の音楽活動に関する聞き取り調査を開始し、「広島の音楽史」という視点でシンポジウムを開催、コンサートの開催やドキュメンタリー映画の制作なども手掛けてきました(それらの成果については、このホームページ内でも紹介しております)。
もちろん、データベースについては不備や誤りも多く、また今もなお新たな作品が誕生している中で、作業に終わりがあるわけでは決してありません。けれども、実質的に活動を担えるメンバーがいないこともあり、これ以上の存続は難しいと判断、閉会という決断を選択することになりました。
なお、最後の活動として、このほど『音楽でみる広島/ヒロシマ』を刊行いたしました(非売品)。これは「広島の音楽史編纂プロジェクト」の成果でもあり、まさに戦前から戦後の音楽活動の一端を紹介するものです。とはいえ、その全容をみるにはほど遠く、触れることのできなかった事象や人物、組織などが多々ありますが、それについては今後、メンバーが個別に編纂作業を続けていく予定です。同時に、データベースについても修正作業を行なって参りましたが、その更新内容を新たに掲示しております。このサイト自体は2026年7月までは閲覧可能な状態にしますので、皆様のお役に立つことができれば幸いです。
最後になりましたが、30年もの間、「ヒロシマと音楽」委員会の活動にご協力をいただいた方々、また温かく見守り支援してくださった方々に、心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
2025年12月31日
「ヒロシマと音楽」委員会
委員長 能登原由美