プロジェクト発足の経緯

  本プロジェクトの端緒は2009年にまで遡る。それまで当委員会が行なっていた「ヒロシマ」をテーマとする音楽作品のデータベース化や作品紹介の過程で、作品のみならず演奏などの活動も含めた幅広い「ヒロシマ」の音楽文化の土壌を捉えるためには広島の被爆後の音楽史をたどる必要性があると考え、関係者へのインタビュー調査を始めたのである。
  しかしながら,原爆投下で多くの資料を焼失した広島については「戦前」の音楽文化状況の解明が手付かずのままとなっており,その課題への着手が急務であると思われた。その作業は同時に,原爆投下と終戦を境とする文化の連続性/非連続性を再検討することにも繋がるのではないかと考えた。そこでまずは戦前の音楽文化状況について調査を行うこととし,若手を中心とする現在のメンバーが集められた。一方,メンバーが持ち合わせる時間と力量の乏しさを考慮して,幅広い音楽文化の中でも「洋楽」に視点を定め,本プロジェクトを本格的に始動させることになったのである。

ヒロシマと音楽

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