HP情報 市民がともに奏でたい 能登原由美さん
市民がともに奏でたい 「ヒロシマと音楽」委員会メンバー 能登原由美さん
2014年8月6日中国新聞記事 オピニオン に掲載
原爆投下から69年。あの日を知る被爆者が減ってきた。惨状を直接聞くことは難しくなりつつあるが、平和の願いを込めた芸術作品は継承や発信を担いうるに違いない。そう信じて楽曲をデータベース(DB)化し、活用を考えるグループがある。「ヒロシマと音楽」委員会の能登原由美さん( 43)に課題や取り組みの展望を聞いた。
Q ヒロシマに関する音楽は一体、どれくらいあるんですか。
これまで1900曲以上について題名や製作年、作曲作詞者、歌詞などをDB化しました。あの日の惨状や反核をテーマにした交響曲や合唱曲、ジャズ、歌謡曲など多彩です。
前身の実行委員会が着手し、10年前に完成しましたが、今も新たに作られる音楽や発掘される曲があれば情報を更新し、楽譜や資料も収集しています
以下は、下記の中国新聞記事を参照下さい。
「ヒロシマ・音の記憶 Vol.5~生きる~」合唱団員募集
「ヒロシマと音楽」委員会は、2010年より、「ヒロシマ・音の記憶」シリーズとして、被爆後のヒロシマに関連する楽曲を集めた演奏会を毎年行ってきました。第5回目となる今年は、2014年12月13日に「ヒロシマ・音の記憶vol.5 ~生きる~」と題し、ヒロシマ復興を音楽と共に歩んだ広島流川教会をはじめ、広島市内教会の足跡に焦点を当てた演奏会を開催します。そこで、ヘンデル作曲《メサイア》より抜粋曲(合唱9曲)及び讃美歌(2曲)を歌っていただく男声合唱団員の方々を募集しています。みなさま、是非ともご参加くださいますようお願いいたします。
【本番詳細】
日時/2014年12月13日(土曜日)18:00~ 場所/日本キリスト教団 広島流川教会
総合指揮者/松浦修 合唱指揮者/小玉好行
ソリスト/ソプラノ:乗松恵美、アルト:井上美和、テノール:頃安利秀、バス:折河宏治
管弦楽/「ヒロシマ・音の記憶」管弦楽団
【参加条件】 これまでに《メサイア》の合唱経験がある男性の方
【合唱練習日時】日曜日・14:00~17:00
8月/31日 9月/21日・28日 10月/12日・19日・26日 11月/9日・23日・30日 12月/7日
【合唱練習場所】YMCA広島1号館(専門学校) 地下自習室(※数回、別室練習あり)
【合唱指導】小玉好行
【使用楽譜】①ヘンデル作曲《メサイア》(ベーレンライター版)
※ベーレンライター版以外のお手持ちの楽譜でも構いません。各自でご準備のほど宜しくお願いします。
②讃美歌(旧 讃美歌) ※楽譜はこちらで準備いたします。
【お問合わせ先】 TEL:082-502-6304 (担当 光平)
e-mail:hirongaku@hirongaku.com
「ヒロシマ・音の記憶vol.5 ~生きる~」 演奏会の主旨
1945年、焦土と化したヒロシマ――。そのヒロシマ復興の長きに亘る道のりを、音楽と共に歩み続けた教会がありました。それが広島流川教会です。本教会は、被爆翌年から慈善音楽会を開催するほか、市内の他教会と共に「広島市基督教連合会」主催で演奏中心の市民クリスマスを行うなど、市民を音楽で勇気づけることに重きを置きました。その背後には当時、広島流川教会の主任牧師であった谷本清師、そして広島流川教会員であり、広島師範学校の音楽教師であった太田司朗氏の存在が大きく拘わっています。1947年秋には谷本師の知人・シカゴの音楽教師リリアン・コンデット氏から《メサイア》の楽譜30冊が贈られてきました。それを契機として、教会員や師範学校の生徒を中心に男女混声合唱の聖歌隊が組織され、同年の市民クリスマスや「クリスマス特別番組『クリスマス音楽礼拝』」の中で《メサイア》の抜粋演奏が行われます。『クリスマス音楽礼拝』は「広島市基督教連合会」主催でラジオ中継が行われ、市民に向け、平和への道を音楽と共に歩むという彼らのメッセージが広く伝えられました。
これらのことを受け、本コンサートでは教会が音楽と共に歩んだヒロシマ復興への足跡原点に遡り、教会とヒロシマ復興、そして市民との関係に大きな意味をもつ1947年12月24日に焦点を当て、第1部では「クリスマス特別番組『クリスマス音楽礼拝』」の復元、そして第2部では《メサイア》の抜粋演奏を行う予定です。