アールトネン 「交響曲第2番ヒロシマ」総譜見つかる
被爆10年目の「ヒロシマ」の響き
アールトネンと朝比奈 隆
被爆10年後の1955年8月、広島市で演奏された「交響曲第2番ヒロシマ」のオリジナル総譜が見つかり、7月7日より、広島市公文書館(中区) で公開されている。
1949年にフィンランドの作曲家エルッキ・アールトネン(10〜90年)が被爆地に思いを寄せてつくり、惨劇に立ち向かう市民の力強さを表現した。市販の音源はなく、広島での再演を願う声が音楽関係者の間で高まっている。
期間 :平成26年7月7日(月)~9月26日(金)
時間 :午前9時~午後5時
休館日:土曜日、日曜日、祝日、8月6日(水)
場所 :広島市公文書館ロビー(7階)
入場料:無料
主催 :広島市公文書館
広島市中区大手町4丁目1-1(大手町平和ビル)
TEL 082-243-2583
フィンランドの作曲家、エルッキ・アールトネンは被爆から僅か4年後の1949年に
ヘルシンキで交響曲第2番「ヒロシマ」を作曲しました。
作品はただちにヘルシンキにて世界初演され、その後は東欧を中心に上演されています。
作曲当時は日本がまだGHQ統治下にあり、極北のフィンランドに原爆被害の実態が
どこまで伝えられていたのか定かではありませんが、母国が直面したロシアとの
戦争のために2度戦地に赴いたアールトネンは、広島の悲劇に思いをめぐらせるとともに、
歴史的大惨事を乗り越える人類の力を信じ(というのも、広島の復興の様子はおそらく
全く知らなかったはずなので)、それらを音で表現しました。
これまでの私の調べでは、「ヒロシマ」を表現した現存の器楽作品としては、
最初の作品と考えられます。
交響曲第2番「ヒロシマ」の総譜の一つで、アールトネンが朝比奈隆に託した楽譜が大阪で
見つかりました。、
今回の展示は、この作品が被爆10年後の昭和30年8月15日に、朝比奈隆の指揮で
広島で日本初演された時の様子を作品スコアと写真資料によって紹介するものです。
開館したばかりの広島市公会堂に大勢の観客が詰めかけている写真など
当時の写真10枚を、昨年行なったフィンランドでの調査で発見し、今回その一部を
披露することになりました。
つきましては、そのチラシとともに、中国新聞紙上でロビー展について
紹介していただいたので、その記事を添付します。(能登原由美)
チラシ 参照下さい。
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参考文献
詳細は
アールトネンの『交響曲第2番』”Hiroshima”
『藝術研究』第21・22号(2009)87-96頁
中国新聞2014年7月8日
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