2013年8月24日、ドキュメンタリー映画「音の記憶・つながり」について毎日新聞に掲載されました。
映画「音の記憶・つながり」 西区で30日まで上映
音楽で支えた被爆復興
被爆翌年の1946年、原爆で荒廃した広島を勇気づけようと旧制高校の生徒で結成した「広島学生音楽連盟」を取材したドキュメンタリー映画「音の記憶・つながり」が西区横川町の横川シネマで上映されている。30日まで。
広島学生音楽連盟は、市内の旧制高校6校から生徒が100〜120人集まり、旧制高校が廃止される1950年3月まで活動した団体。「ヒロシマ・ナガサキ」や反核をテーマとする音楽作品のデータベースづくりを行っている市民団体「ヒロシマと音楽」委員会の調査により、同連盟が合同合唱団を作って演奏活動をしたり、東京から日本を代表する音楽家を招いてコンサートを開くなど、戦後の広島の文化に大きな役割を果たしたことが分かったという。
この活動の記録を後世に伝えようと、同委員会が映画の製作を企画。広島を拠点にドキュメンタリー映画を手がける青原さとし監督がメガホンをとった。
映画は、原田雅弘さん(85)と千葉佳子さん(85)ら連盟の中心メンバーヘのインタビューと、合唱団の思いを継ごうと2011年に市内の3高校が出演した合唱コンサートの模様、参加した高校生へのインタビューなどで構成する。
同委員会の小森敏広副委員長(70)は「戦後何もないところで若い学生たちが広島のために奔走した。その思いを、東日本大震災後の日本の今の若い世代にも伝えたい」と話していた。 【高橋咲子】
(毎日新聞2013年8月24日朝刊より)