「ヒロシマ・音の記憶Vol.4〜継承〜」演奏会
中国新聞2013年11月23日で紹介される。
被爆講堂に「勇気」の歌声
「音楽の力伝えたい」
原爆投下の翌年、広島市の旧制高校や専門学校の男女が集い、歌声を響かせた「広島学生音楽連盟」。4年ほどの活動で使った施設のうち、唯一今も残る南区の広島大付属中・高講堂で12月1日、現代の中高生が、舞台を再現する。演奏会「ヒロシマ・音の記憶」シリーズの第4弾。被爆建物でもある会場で、先人の思いを継承する。
同連盟は、旧制の広島高等学校(現広島大)や広島女子専門学校(現県立広島大)など少なくとも6校の100人余りが参加。焼失を免れた市内の施設で転々と演奏会を開いたとされる。同講堂は貴重な活動拠点の一つで、演奏中の写真も残る。
歌と演奏を担うのは、同校の中高生でつくる合唱班と管弦楽班の男女約70人。同連盟のメンバーがよく歌っていたというシューベルトの「菩提樹」やシューマンの「流浪の民」などをよみがえらせる。
本番に向け練習は大詰め。合唱班班長の2年井上実乃里さん(17)は「時代を超えたつながりを感じる。心を一つにして歌いたい」。管弦楽班班長の2年三好妃奈子さん(17)も「戦後間もない広島で生きる勇気を届けた同世代に負けないように、私たちなりに音楽の力を伝えたい」と意気込んでいる。
中国新聞2013年11月23日 記事は
オペラ歌手の佐藤しのぶさんが、反戦や反核をテーマにしたオリジナルソング「リメンバー」を発表した。作詞は、作詞家で直木賞作家のなかにし礼さん。被爆国から反戦・反核のメッセージを世界へ広げたいという佐藤さんの願いに、なかにしさんが応えた。2人は12日、日本記者クラブで会見し、作品に込めた思いを語った。
語り掛けるような歌声が印象的な作品。「リメンバー ヒロシマ・ナガサキ」のフレーズが繰り返され、「戦争と核兵器のない平和の実現を願う人は集まれ!」と呼び掛ける。作曲は鈴木キサブローさん。
佐藤さんが反戦・反核の歌を歌いたいと思い始めたのは1996年。チェルノブイリ原発事故の影響でがんを患った子どもを治療するベラルーシの小児がん施設を訪ねたのがきっかけだった。
以来、構想を温め、親交のあるなかにしさんに作詞を依頼。中国東北部(旧満州)からの引き揚げ経験を持ち、平和や反戦への思いを発信してきたなかにしさんも快諾した。
「日本人の反戦の思いを音楽という共通の言葉で伝えたい」と佐藤さん。なかにしさんは「福島第1原発事故も経験した日本だからこそ、核をなくすことを訴えなければ」と語る。英語版、フランス語版などの制作も計画する。
2013年11月13日中国新聞朝刊より。