ドキュメンタリー映画「音の記憶・つながり」福山市で上映
(旧制広島高等学校講堂で歌う広島学生音楽連盟合唱団の写真(1947年撮影)を持つ原田さん(左)と千葉さん= 「ヒロシマと音楽」委員会提供)
被爆翌年の1 94 6年、原爆で荒廃した広島を勇気づけようと旧制高校の生徒で結成した「広島学生音楽連盟」を取材したドキュメンタリー映画「音の記憶・つながり」が福山市で上映されます。
日時 8月2日(土)14:00~15:30
会場 福山市沼隈図書館 市民ギャラリー
福山市沼隈町常石1810
入場料 無料
主催 福山市南部生涯学習センター
問合せ 084-980-7133
日時 8月3日(日)13:30~
8月5日(火)13:30~
8月6日(水)13:30~
会場 福山市人権平和資料館
入場料 無料
主催 福山市人権平和資料館
福山市丸の内1丁目1番1号
問合せ 084-924-6789
広島学生音楽連盟は、市内の旧制高校6校から生徒が100〜120人集まり、旧制高校が廃止される1950年3月まで活動した団体。「ヒロシマ・ナガサキ」や反核をテーマとする音楽作品のデータベースづくりを行っている市民団体「ヒロシマと音楽」委員会の調査により、同連盟が合同合唱団を作って演奏活動をしたり、東京から日本を代表する音楽家を招いてコンサートを開くなど、戦後の広島の文化に大きな役割を果たしたことが分かったという。
この活動の記録を後世に伝えようと、同委員会が映画の製作を企画。広島を拠点にドキュメンタリー映画を手がける青原さとし監督がメガホンをとった。
映画は、原田雅弘さん( 85)と千葉佳子さん( 85 )ら連盟の中心メンバーヘのインタビューと、合唱団の思いを継ごうと2011年に市内の3高校が出演した合唱コンサートの模様、参加した高校生へのインタビューなどで構成する。
このドキュメンタリー映画「音の記憶・つながり」は
企画・製作「ヒロシマと音楽」委員会 製作NPO法人ANT-Hiroshima
監督・撮影 青原さとし 68分/2013年製作
1 日時 2014 年7 月27 日(日)10:00 ~
2 会場 呉市広市民センター5 階大会議室 (呉市広古新開2 丁目1-3)TEL:0823-71-2151
3 行事予定
4 研究報告
5 シンポジウム「戦前の広島における洋楽の普及」
司会: 石田雅春(広島大学文書館助教)
コメンテーター:片桐功(エリザベト音楽大学教授)
※参加費無料。事前の申し込みは不要です。※お問い合わせは芸備地方史研究会まで。
【主催】 芸備地方史研究会
〒739-8522 東広島市鏡山1-2-3 広島大学大学院文学研究科内
TEL:082-424-6643(FAX 兼用) e-mail:geishi@hiroshima-u.ac.jp
HP:http://home.hiroshima-u.ac.jp/geishi/
【共催】 広郷土史研究会
【後援】 広島県教育委員会、呉市教育委員会
下記のポスターをご利用下さい。
~近代広島の音楽史構築をめざして~
アールトネン 「交響曲第2番ヒロシマ」総譜見つかる
被爆10年目の「ヒロシマ」の響き
アールトネンと朝比奈 隆
被爆10年後の1955年8月、広島市で演奏された「交響曲第2番ヒロシマ」のオリジナル総譜が見つかり、7月7日より、広島市公文書館(中区) で公開されている。
1949年にフィンランドの作曲家エルッキ・アールトネン(10〜90年)が被爆地に思いを寄せてつくり、惨劇に立ち向かう市民の力強さを表現した。市販の音源はなく、広島での再演を願う声が音楽関係者の間で高まっている。
期間 :平成26年7月7日(月)~9月26日(金)
時間 :午前9時~午後5時
休館日:土曜日、日曜日、祝日、8月6日(水)
場所 :広島市公文書館ロビー(7階)
入場料:無料
主催 :広島市公文書館
広島市中区大手町4丁目1-1(大手町平和ビル)
TEL 082-243-2583
フィンランドの作曲家、エルッキ・アールトネンは被爆から僅か4年後の1949年に
ヘルシンキで交響曲第2番「ヒロシマ」を作曲しました。
作品はただちにヘルシンキにて世界初演され、その後は東欧を中心に上演されています。
作曲当時は日本がまだGHQ統治下にあり、極北のフィンランドに原爆被害の実態が
どこまで伝えられていたのか定かではありませんが、母国が直面したロシアとの
戦争のために2度戦地に赴いたアールトネンは、広島の悲劇に思いをめぐらせるとともに、
歴史的大惨事を乗り越える人類の力を信じ(というのも、広島の復興の様子はおそらく
全く知らなかったはずなので)、それらを音で表現しました。
これまでの私の調べでは、「ヒロシマ」を表現した現存の器楽作品としては、
最初の作品と考えられます。
交響曲第2番「ヒロシマ」の総譜の一つで、アールトネンが朝比奈隆に託した楽譜が大阪で
見つかりました。、
今回の展示は、この作品が被爆10年後の昭和30年8月15日に、朝比奈隆の指揮で
広島で日本初演された時の様子を作品スコアと写真資料によって紹介するものです。
開館したばかりの広島市公会堂に大勢の観客が詰めかけている写真など
当時の写真10枚を、昨年行なったフィンランドでの調査で発見し、今回その一部を
披露することになりました。
つきましては、そのチラシとともに、中国新聞紙上でロビー展について
紹介していただいたので、その記事を添付します。(能登原由美)
チラシ 参照下さい。
Aaltonen-1
参考文献
詳細は
アールトネンの『交響曲第2番』”Hiroshima”
『藝術研究』第21・22号(2009)87-96頁
中国新聞2014年7月8日
Aaltonen-3
「ヒロシマ・音の記憶 Vol.5~生きる~」合唱団発足
5月18日(日)、広島YMCA1号館地下実習室で「ヒロシマ・音の記憶 Vol.5~生きる~」合唱団が発足しました。
合唱曲1番目の〈And the glory of the lord shall be revealed…〉と、合唱曲7番目の〈Hallelujah〉を練習。この日は、合唱団の発足と第1回目の練習日でしたので、地元テレビ・ラジオ局の取材もありました。
「ヒロシマ・音の記憶 Vol.5~生きる~」合唱団発足について、「ヒロシマと音楽」委員会の光平有希委員から「ヒロシマ・音の記憶 Vol.5~生きる~」の企画概要・趣旨を説明しました。
1947年秋にアメリカ・シカゴの音楽教師リリアン・コンデット氏から贈られてきた《メサイア》の楽譜30冊の1冊の表紙です。(30冊には通しナンバーが振られ、12の数字が見えます。)
早速、練習に入りました。合唱団のメンバーのほとんどが《メサイア》を歌い続けて来た方で合唱指導の小玉好行先生と共に歌い熟していました。
合唱団のメンバーは広島流川教会聖歌隊・クワイヤアイリス・広島YMCAクワイヤ・同志社混声合唱団OB・広島大学音楽部学生の有志の方々で構成しています。
合唱の練習はこの5月から月に2~3回こなし、本番まで17回を予定しています。
皆さん、本番まで、体調に気をつけて、よろしくお願いします。
○演奏会
日時: 2014年12月13日(土曜)18:00~
場所: 日本キリスト教団 広島流川教会
主催: 「ヒロシマと音楽」委員会
「ヒロシマ・音の記憶 Vol.5~生きる~」 【企画概要】
1.主旨
1945年、ヒロシマは焦土と化した―――。そのヒロシマ復興の長きに亘る道のりを、音楽と共に歩み続けた教会があった。それが広島流川教会である。本教会は、被爆翌年から慈善音楽会を開催するほか、広島市基督教連合会主催で演奏中心の市民クリスマスを行うなど、市民を音楽で勇気づけることに重きを置いた。その背後には当時、広島流川教会の主任牧師であった谷本清師、そして広島流川教会員であり、広島師範学校の音楽教師であった太田司朗氏の存在が大きく拘わっている。1947年秋には、シカゴの音楽教師リリアン・コンデット氏から《メサイア》の楽譜30冊が贈られてきた。それを契機として、教会員や師範学校の生徒を中心に男女混声合唱の聖歌隊が組織、その後練習を重ねて、同年の市民クリスマスや「クリスマス特別番組『クリスマス音楽礼拝』」の中で《メサイア》の抜粋演奏が行われた。『クリスマス音楽礼拝』は広島流川教会からラジオ生中継が行われ、市民に向け、平和への道を音楽と共に歩むという彼らのメッセージが電波を通じて広く伝えられた。
これらのことを受け、本コンサートは主として、教会が音楽と共に歩んだヒロシマ復興への足跡原点に遡り、教会の音楽活動で大きな役割を果たした谷本清師や太田司朗氏の願った平和に対する想いを紹介したい。そのため、シンポジウムと演奏会という2部構成を予定している。シンポジウムでは、これまで広島流川教会及び谷本清や太田司朗について考察してきた研究者を招聘して開催する。また演奏会では、教会とヒロシマ復興、そして市民との関係に大きな意味をもつ1947年12月24日に焦点を当て、第1部では「クリスマス特別番組『クリスマス音楽礼拝』」の復元、そして第2部では《メサイア》の抜粋演奏を行う予定である。
2.内容
○シンポジウム
日時:2014年11月29日(土曜)14:00~(16:00) 場所:YMCA広島 本館4階 会議室
司会:能登原由美
発表:
●川口悠子 「谷本清の留学経験と戦後ヒロシマ・ピース・センターとのつながり」(仮)
●光平有希 「広島流川教会における復興と音楽活動―1945 年~1947 年を中心として―」(仮)
●桐谷多恵子 「戦後ヒロシマにおける復興と流川教会との関連」(仮)
○演奏会
日時:2014年12月13日(土曜)18:00~ 場所:日本キリスト教団 広島流川教会
主催:「ヒロシマと音楽」委員会
出演者:
●合唱40名程度(広島流川教会聖歌隊・クワイヤアイリス・広島YMCAクワイヤ・同志社混声合唱団OB・広島大学音楽部学生の有志)
●総合指揮者(松浦修) ●合唱指揮者(小玉好行)
●ソリスト(ソプラノ:乗松恵美、アルト:井上美和、テノール:頃安利秀、バス:折河宏治)
●オルガニスト・チェンバリスト
●管弦楽19名(プロ奏者及び広大OB・学生)
「広島 愛の川」中沢啓治作詞、山本加津彦作曲 6月CDにて発売
「広島 愛の川」中沢啓治さんの未発表の詩に、中沢さんがファンだった歌手の加藤登紀子さんが歌う
作曲の山本加津彦さん、中沢さんの詩にメロディ 『歌を通じて中沢さんの思いを受け継ぎたい』
「広島 愛の川」
愛を浮かべて川流れ 水の都の広島で 語ろうよ川に向って 怒り、悲しみ、優しさを
ああ、川は広島の川は 世界の海へ流れ行く
愛を育てた太田川 手取り駆けった川堤 伝えよう川に向って 怒り、悲しみ、優しさを
ああ、川は広島の川は 世界の海へ流れ着く
愛する我が子に頬ずりし 姿川面に写す日々 誓おうよ川に向って 怒り、悲しみ、優しさを
ああ、川は広島の川は 世界の海へ巡り行く
漫画「はだしのゲン」の作者、故中沢啓治さんの未発表の詩「広島 愛の川」に曲をつけたCDが6月25日、ユニバーサルミュージックから発売される。東京在住の作曲家山本加津彦さん(34)が曲を作り、歌手の加藤登紀子さん(70)が歌う。ゲンの閲覧制限問題を受け、山本さんは「中沢さんが作品に込めた純粋な思いを音楽を通して幅広く伝えたい」と力を込める。
「愛の川」は、ゲンの連載40周年を記念して昨年6月、広島市中区であったイベントで妻ミサヨさん(71)が初めて朗読した。
山本さんはアイドルグループのAKB48や東方神起、JUJUの楽曲などを手掛ける。大阪出身で親族に被爆者はいないが、幼少からゲンに親しんだ。新聞で詩を知り、「怒りや悲しみを作品にぶつけていた中沢さんが詩で表現した『優しさ』は重みと深みがある」と感動した。
メロディーを付けたいとの思いを抱えて広島市にミサヨさんを訪ね、交流を重ねた。「原爆と縁もゆかりもない自分が関わっていいのか」と葛藤しながら作曲を申し出ると、ミサヨさんは快諾。「せつかく作るなら良いものを」と後押しされた。
3番までの詩を約6分間の作品に仕上げた。CDには、中沢さんがファンだった加藤さんが歌う約30人編成のオーケストラバージョンと、児童合唱の2パターンを収録。7日から東京でレコーディングを始める。
(2014年4月4日中国新聞記事より)
福山雅治さん「クスノキ」を発表
長崎市出身の歌手で俳優の福山雅治さん(45)が、長崎の原爆被害を乗り越えた被爆クスノキをテーマにした新曲「クスノキ」を2日、発表した。福山さんは過去にラジオ番組で親が被爆していたことに触れ「僕は被爆2世」と語っていた。
被爆クスノキは、長崎市の山王神社の境内にある。1945年8月9日の原爆投下による爆風や熱線で幹をもがれながら、約2年後に新芽を出し、平和や生命力の象徴として親しまれている。
歌詞は、クスノキが爆風や黒い雨を浴びながらも、たくましく生きる姿を描く。新作アルバム「HUMAN」に収められている。
福山さんはこの曲について、3月のラジオ番組で「被爆クスノキの歌をずっと作ろうと思っていた。長崎で生まれ育ったソングライターじゃないと歌えないだろうし、書き出さないだろう」と語っていた。
(2014年4月3日 中国新聞より)
『音楽再発見100エピソード』(教育芸術社)の紹介です
『音楽再発見100エピソード』(教育芸術社)という高校生向けの音楽入門書の中に「広島に捧げられた音楽」というページがあります。その中でフィンランドの作曲家アールトネンの「交響曲第二番ヒロシマ」も紹介されています。
著者は国立音楽大学教授の久保田慶一先生。
「広島に捧げられた音楽」としては、ポーランドの作曲家ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」が有名ですが、「交響曲第二番ヒロシマ」は、ヒロシマと音楽」委員会委員の能登原由美さんが研究されているフィンランドの作曲家エルツキ・アールトネンの曲です。
「交響曲第二番ヒロシマ」の広島公演について、能登原由美さんは下記のように述べています。
「終戦10周年記念 関響特別演奏会」
1955年(昭和30年)8月15日、開館して間もない広島市公会堂にて開催された演奏会。日本を代表する指揮者、朝比奈隆(1908-2001)が関西交響楽団(現大阪フィルハーモニー交響楽団)とともに来広し、フィンランドの作曲家、エルッキ・アールトネン(1910-90)が作曲した《交響曲第二番「ヒロシマ」》(1949)の日本初演を行った。この作品は、被爆から僅か4年後の1949年(昭和24年)に作曲され、同年ヘルシンキで世界初演された作品で、「ヒロシマ」をテーマとする現存の器楽作品の中では世界最初のものとみられている。朝比奈は、1953年にフィンランドに滞在した際に作曲家自身から楽譜とともに広島での上演を委託されていた。財界からの援助により、被爆10周年の記念事業として5千人もの広島市民が公演に無料招待されたが、被爆の惨状と復興へと立ち向かう広島の様子を描いたその音楽に、多くの被爆者が涙を流したと当時の記事は伝えている。
詳細は
アールトネンの『交響曲第2番』”Hiroshima”
『藝術研究』第21・22号(2009)87-96頁
著者の久保田慶一先生は、
「今の高校生は、広島に捧げられた音楽があることは知らないだろうから」ということで、今回アールトネンのことも書いてくださったようです。
このページをPDFでその部分を紹介します。
この本は単なる入門書にとどまらず、音楽全般に関して様々な角度からとてもわかり易く書かれていて、また1200円と価格も安いです。
また、この本の紹介と、楽曲を,試聴することができるサイトがあります。
このサイトでは,ナクソス・ミュージック・ライブラリーの協力により,教育芸術社刊行「音楽再発見100エピソード」(久保田 慶一 著)でとりあげている楽曲を,試聴することができます。
本書のエピソードと合わせてお楽しみ下さい。
http://www.kyogei.co.jp/publication/100episode/ongakusaihakken/index.html
「ヒロシマ・音の記憶vol.4〜継承〜」福山公演 開催報告
「ヒロシマ・音の記憶vol.4〜継承〜」福山公演は2014年2月9日(日)13:30~ ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ (小ホール)にて開催しました。
再会の様子を2014年2月10日の中国新聞朝刊に報じられる。
2014年2月10日の中国新聞
第一部ドキュメンタリー映画「音の記憶・つながり」
第二部 コンサート
出演 大迫 俊一(マリンバ)
大迫 知佳子(ピアノ)
二重奏 「春の海」「心に咲く花」「野ばら」「大地讃頌」
マリンバ独奏「ランド」
二重奏 「里の秋」「母と子の八月八日」「花は咲く」
終演、アンケートに協力いただきました。ありがとうございます。
「ヒロシマ・音の記憶 Vol.4~継承~」 福山公演
被爆の翌年から3年余りにわたって活動した「広島学生音楽連盟」の 記録を後世に伝えるため昨夏完成したドキュメンタリー映画 「音の記憶・つながり」の上映とともに「広島学生音楽連盟」や 「平和」にゆかりのある楽曲の演奏を通して、音楽と共に駆け抜けた 若者たちの姿、そしてそれを継承することの意味を見つめました。
「ヒロシマ・音の記憶Vol. 4.〜継承〜」 福山公演 プログラム出来ました。
下記をクリックして下さい。
「ヒロシマ・音の記憶Vol. 4.〜継承〜」 福山公演 プログラム